ここ数年のタバコの値上がりや、飲食店での全面禁煙や、喫煙場所を探すのも一苦労する世の中となり、一昔に比べると喫煙者の数は減少している傾向にあります。


喫煙や飲酒が身体にいいという事は決してありませんが、法律上許可されていて、娯楽のひとつとして嗜むことに関しては、個人の自由だと思います。ですが、タバコもドラッグと同様、依存形成性薬物だと言われたりお酒も合法なドラッグと言われ、飲酒を犯罪とする国もあるように、見方が変われば違法ドラッグと何ら変わりない存在なので、決して人に勧めるものでは無いと思っています。


その時代や国ごとに大麻が合法であったり違法であったりするように、昭和平成時代はテレビのCMでも街中のポスターでもタバコやお酒は大々的に推奨されていました。今では、喫煙者から発せられる副流煙の被害から紙タバコから電子タバコなどに変えている人も多いと思いますが、化学薬品が沢山使用されていて、体への被害が実証されていない現段階では、電子タバコを禁止したり違法としている国もあります。


日本人を利用して、電子タバコが及ぼす有毒性について実験しているとの話もあります。逆にアメリカでは、ベイプというリキッドという液体ニコチンを利用した喫煙が流行する中、日本では液体ニコチンの販売を禁止しています。形は変われど、人体に悪影響を及ぼす事には変わりありません。


では実際に喫煙や飲酒をした時に体や脳ではどのような事が起こっているのでしょうか。ニコチンを体内に摂取すると、速やかに脳へニコチンがニコチン受容体へと供給されます。そして、脳からドーパミンやセロトニンが強制的に分泌され、30分程すると枯渇しまた新たにニコチンを下さいという信号を出します。これを繰り返すことによりニコチン依存性となりますが、同時に一酸化炭素やタール、化学物質も体内に取り込まれ、肺や血管へのダメージも蓄積されて行きます。


飲酒も同様で、アルコールを摂取する事により脳からはドーパミンが分泌され快楽を得ます。しかし、同時に脳萎縮が起こり、記憶や学習力の低下も促進します。脳が萎縮すると、理性を保てなくなり怒りっぽくなったり暴力的になったりもします。またアルコールを摂取した瞬間から、体内ではアルコール成分の分解作業が行われ、分解作業は肝臓が担っています。お酒を沢山飲み肝臓に負担をかけ続ける事で、アルコール性肝障害になったり、長期の間大量のアルコールを摂取し続けると、中性脂肪が溜まり、脂肪肝や肝硬変などの肝臓障害という病気に繋がったりします。


飲酒や喫煙をする理由の1つとして、ストレス発散があると思いますが、飲酒・喫煙を行う事で、脳からはコレチゾール(ストレスホルモン)が分泌され、長期間その状態が続く事でストレス耐性が下がり、「抑うつ」になるリスクも高まっていきます。


長期間に及ぶ大量の飲酒や喫煙で、内蔵や脳に対する負担をかけ続ける事となり、様々な病気や障害を発症させるリスクを高めることとなります。


ほどよい飲酒は、リラックス効果を得たり気分が高揚したり、日々の中に楽しみを生み出しますが、大量に摂取し続ける事は大変危険です。アルコールの分解には必ず水が必要になります。もし飲酒をする際は、飲みすぎに注意して同時に水を飲むことを忘れないで下さい。